容易に理解してもらえることではないと思いつつも、宇宙や人生の本質に関わることなので、備忘の意味で書き留めておきたいと思います。
人類最高の頭脳を持つと言われる宇宙物理学者でさえ、「この宇宙について分かっていることは、まだせいぜい5%だ」と述べているように、この宇宙のほとんどが、人類にとって、いまだに未知の領域にあります。
近年、AIが急速な進化を遂げており、計算能力や記憶力では、人間がすでに遠く及ばぬ存在となっているわけですが、そのAIをもってしても、この宇宙は永遠に謎に包まれたままなのです。
つまり人間は、宇宙について分かっている5%の領域にある知識、経験、科学技術の恩恵の中に生きており、それらを踏襲し、また後世に伝えていくことで、人類として存続しているわけです。
たとえば『書道』という伝統文化もまたその既知の領域にあり、だからこそ、長年にわたり、用具や表現技法が共有され、美意識が共感されて、存在意義も定まったてきたところがあるわけです。
一方、そうした伝統文化に対して、芸術は、いわば人類にとって未知なる95%の宇宙を探り、アクセスし、表す術であり、だからこそ、万人が「あら、ステキ!」と褒めそやすようなものではなく、岡本太郎の言うように、「何だこれは?!」「何だか分からないけれど、感動する!」といった世界になるのだと。
蓋し、そうした未知の芸術的領域に対しては、感動する人もいれば、何も感じない人もいて、雲を掴むような世界であることから、評価が定まらず、経済的な価値にも繋がりずらいところがあります。芸術でも何でも、多くの人々にとって分かりやすいほうが、お金にもなるわけです。
しかしながら、経済において、「現状維持イコール衰退」と言われるのと同じように、人類も含めて、すべての生き物が、現状維持ではなく、進化してこそ、その存在を維持できるというのが、この宇宙の法則であるならば、既存の伝統文化や科学技術を踏襲し、その恩恵を享受しながらも、そこに留まらず、それを打ち破って、未知の領域に挑み、新たな世界を拓いていくことで、人類の未来は開けていく、ということになるでしょう。
そして、その最大の力となるものが、『芸術』なのだと思います。
しかもその芸術は、『人生即芸術、芸術即人生』と言った岡本太郎の言葉の通り、特別な芸術家や美術関係者だけのものではなく、萬人のものであり、全人類の未来を照らす、希望の光なのだと。
そして、私はその光を、頭でっかちの現代アートや、人間を王様にして自然をねじ伏せるような芸術表現ではなく、未知なる宇宙を直感をもって探り表そうとする芸術表現の内に見ています。そして、自身もまた、『書芸』を通して、未知なる宇宙を探り表していきたいと。
SOGENアート 『宇宙遊園 Amusement Space』/ 2018/ T330xW240/ 画仙紙・パステル
ちょっと話が飛びますが、あのちゃんなどもそうで、彼女もまた、何を考えているのかよく分からない、ふしぎちゃんのように思われながらも、直感に生き、人類の最先端をゆく、類稀なる芸術家の一人であると。
先のブログで「感動、解放、貢献」という3Kに生きたいといった話をしましたが、そうした芸術家はすべからく、自覚のある無しにかかわらず、この3つのKに生きているように思われます。
既定路線のカタチだけの仕事には、感心はしても感動は無く、安心はしても解放は無く、人類への真の貢献もまた無いのです。
芸道でいうところの「守破離」で言えば、守る人、打ち破る人、既存の道から離れて独自の境地を拓く人、それぞれいて成り立っているのが人の世なわけですが、離の世界にあそぶこと無しに人類に未来無きことを思えば、守り破るばかりでなく、自身が離の宇宙世界にあそぶとともに、ぜひ、あそび仲間を増やしていきたいものだと。
「感動、解放、貢献」の3Kを自身の人生の指標としたのも、そのためです。
書芸の普及活動も、そんなあそび仲間を増やす仕事とも言えるかもしれません。
てことで、みなさん、ぜひ書芸で一緒にあそびましょう♪( ´θ`)ノ