南無不可思議光

 

書は気力なくしては書けないが、気張りすぎても自然の理を損なうところがある。

左は、上手くやってやろうといった邪念を捨て去りたいと願いつつ殴り書いた、30代(1996年)の書

孔子の『論語ー為政』に、「七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず」とある。
思い通り、やりたい放題やっても、人の道を外れない、といった意で、思えば若き日より自分が書を通して求め続けてきたのはそこなのだろう。

果たして、そんな境地に生きているうちに行き着けるかどうか、未だ道通しの感あるも、それでも様々な経験や思索を通して、最近ようやく、少しは見えてきたものもあり、気持ちも落ち着いてきたように思う。
この乱世にあって肝心なのは生命力。元気出してイコう。

 

平野壯弦書『南無不可思議光 』
1996/ 1700×700mm/ 中国画仙紙・墨

 

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