未知なる宇宙、芸術世界を探る『書芸』〜千年の森ホール緞帳書芸アート『五福祥応』に想う〜

 

先のブログで十日町市・中魚沼郡 児童生徒 『発明工夫模型展』の模様を紹介させていただきましたが、その中で、会場となった千年の森ホールに下げられた、SOGEN揮毫による緞帳と原画もあわせてご覧いただきました。

緞帳は絵を元にしたものが多い中で、書を起用いただいたこと有り難く、市ならびに関係各位の御英断に深く感謝しております。
会場で久々に緞帳と原画と対峙し、果たして本当に、そのご期待にそえるものになっているのかと、あらためて見直したところ、おお、いいじゃん、と。絵でもなく、字でも言葉でもなく、筆線で何かを表象するといのは、また精緻な絵画や立派な文字書を書くこと以上に難易度が高い仕事なわけですが、我ながら、よくやったもんだと。
「何コレ? ワケわからん」と思う人もいるでしょうが、わからないながらも何かしら感じてくれて、「この緞帳、昔から大好きです!」「しみじみ、美しい線だなぁと、今まで感じなかった何かを感じました。」などと言ってくれる地域の人たちもいてくれて、ありがたいかぎりです。

SOGEN揮毫:『五福祥応』(千年の森ホール緞帳原画)

千年の森ホール緞帳(川島織物製)

ちなみにこの緞帳書芸アートに込めた想いは以下の通りです。

作品名:『五福祥応』
五市町村の合併に際し、故郷に大いなる福来らんとの祈りを込めて揮毫。
音符のような5本の縦線(♪)は、すくすくと育ちゆく稲穂に擬えた5市町村の表象。
横線は故郷の山河、信濃川の悠久の流れを表象し、地域の人々が悠久なる歴史の流れの中で、
希望ある未来を描きつつ、乱世の荒波を乗り越え、逞しく悠々と生き抜いてほしいとの祈りを込めて制作。

ところで、現代アートの世界では、20世紀初頭のデュシャン以来、コンセプチュアルアートが主流となったわけですが、どうもコンセプチャルアートでいうところのコンセプトとは、単に作品の元となる概念ということではなく、ロゴス(言語)に関わることのようで、その点、こうした書芸アート作品は、コンセプチャルアートとも異なるわけで、それが、自分が自ら積極的に現代アートの世界に参入することなく、『書芸』というジャンルを立てて活動している所以でもあります。・・・って、サンドウィッチマンじゃないけど、ちょっと何言ってんだか分かんないですよねW まあそのあたりは、宇宙が謎だらけなのと同様に未知の領域ですので、今後とも作品をつくり、考え、語り合っていく中で、さらに深く探っていきたいと思っています。

子供は天才であり、我が師匠と思っていますが、こうした書芸アート作品は子供では作れません。人生経験によって育まれた理智や思想哲学、書の修練から得た技や感覚、我を超えて宇宙意識と繋がろうとする姿勢が根底にあってこそ生まれ出てくるものだと思います。
そこに、子供が天真爛漫に戯れ書くのと同様に、大人が四苦八苦しながら書芸アート作品をつくり出す意義もまたあると思うわけです。

書道にも現代アートにも納まり切らない、未知なる宇宙、芸術世界を探る『書芸』に興味あり、という奇特な方がいたら、ぜひ共に宇宙遊泳を``

 

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