7月15日(土)、友人の紹介を受けて、世田谷区野沢のGallery みぎわで開催中の『松山修平個展』へ。
松山修平氏は21歳でイタリアに渡り、以来、半世紀近くもの長きに渡り、ミラノを拠点に活動をされている芸術家である。
いつも遠くから見守ってくれて、滅多に連絡をよこさない守護星のような友人が、ぜひ松山さんと会ってほしいと再三連絡をくれたのは、よほどのことと思い、酷暑の中、気合を入れて、最寄りの学芸大学駅まで出向かせてもらう。
日本でのいくつかの展覧会のため、イタリアから一時帰国中という松山氏。どんな方だろうかと、期待と些かの緊張感を持って、会場となっているカフェギャラリーの扉を開けて姿を探したところ、スックと立ち上がって、まるで旧知の友に何十年ぶりに会ったかのような満面の笑みで出迎えてくれたのが、松山修平氏、その人であった。
実に穏やかなお顔をされているが、なんと空手6段で、ミラノでは空手も教えておられるというから驚きだ。
かくいう自分も中学高校と空手バカ生活を送っていたので、なお一層の親近感が・・・
おまけに書もよくされるときたもんだ。
松山氏の作品は、小品から超大作まで、イタリアの様々な公共スペースにも飾られているそうで、写真で拝見させていただき、いやはや、スゴいなあと。私がやりたいと思っているようなことを、イタリアでぜんぶ実現していると言っても過言ではないような大先達ではないか。
そして本展に飾られた氏の作品が、これだ。
中世の宗教画の制作に用いられたフレスコ画の技法を活用し、石膏、和紙、絵の具、墨等の様々な素材を重ね合わせて、独自の重厚感ある宇宙世界を表出している。
いや、これ、まさに書芸じゃん‼️
意図や作意を超えて、無限の宇宙とつながることで、宇宙が織りなす自然と同様に、尽きぬ味わいを醸し出している氏の作品群は、私からしたら、まさに書芸の精神とシンクロしており、深い共感を覚えるばかりである。
このすばらしいご縁を結んでくださった友人のTさんと、アートプロデューサーの植田嘉恵さんに、心からの感謝の気持ちを捧げたい。
ちなみに松山氏は、私の生まれ故郷の新潟県十日町市と姉妹都市の関係にあるイタリアのコモ市で、姉妹都市50周年を記念したアート制作の打診を受けているという。ついては2025年に、50周年を記念した展覧会を一緒に企画して、コモ市と十日町市で共催できたらいいね、といったお話もいただき、実現できるかどうかは別に、新たな目標と夢を与えていただいた思いで、元気と勇気をいただくことができた。てか、イタリア行きて〜〜〜! ぜって〜イクぞ、イタリア、2025‼️
・松山氏が、なぜ芸術を志し、イタリアに渡ろうと思ったのか?
・イタリアに暮らして、もっとも強く感じたことは何か?
・いかにしてイタリアで芸術家としての身を立てていったのか?
・イタリアと日本における、芸術文化のポジショニングの違い
等々、様々な示唆と大きな刺激をいただいた。
そのあたりの詳細については、とてもここに書き切れないので、ARC-TOKYO(渋谷の書芸教室)などでシェアーさせていただきたいと思う。
ということで、ARC-TOKYO会員のみなさんは、どうぞたのしみにしていただきたい。
それにしても、松山修平さんのような、海外で縦横無尽に活躍されている、ほんとうに素晴らしい芸術家の方とのご縁をいただいたことは、吉兆の極みというもの。いよいよもって、これからの展開が楽しみになってきた。
-追記-
本ブログをご覧くださった松山修平氏より、横浜で7月31日まで開催中の個展もぜひご覧いただきたいとのご案内をいただきましたので、以下の通りご案内させていただきます。
お時間の許す方は、ぜひお運びください。松山さんも、7月27日以外は毎日在廊の予定だそうです。
松山修平個展 SHIN-ON新作展
会場:ギャルリーパリ
会期:7月17日〜31日
12:00〜18:00 初日 14:00〜 最終日 17:00まで
※7月27日以外は毎日在廊
今年の1月 イタリアに来て5回目のアトリエ引っ越しをしました。
新しいアトリエは大きい空間の中二階でゆっくりと空気が流れる空間です。
光の入る大きい窓があり そこから大きな木の緑が見え 安らぎを感じながら、
ゆっくりと一点ずつと会話しながら制作ができます。
移動する時々に 持ち物の整理見直し それが物だけでは無く
自分の思考も同様で 今回も違う角度から冷静に判断でき
アトリエが落ち着いた3月頃から 制作も真摯に投身出来る様になりました。
今までの絵を整理しながら 一枚ずつからその時の想いも思い出されますが
継続して求めている物は時間を経ても常に同じだと確信に至ります。
今回 一枚の絵をもう一度 乾いた布で磨く と言う作業を続けると
擦れながら底、深淵から湧き出てくる光があり 久々にあった我が子の姿に
なんとも言えない 心からの感動を感じました。
今 その様な作品との対話できる空間と時間を与えて貰えた事への喜びと
今制作出来る自分を支えてくれる皆様に心から感謝を感じています。
今年の展示作品は 日々の積み重ねる時を経て 今この現在の自分の気持との
対話から産まれた絵と言えるのではないかと思います。
その今の対話を 皆様に感じて頂ければ幸いです。