草取り

 

このところ、術後のリハビリと減量も兼ねて、故郷十日町出身の友人の、空き家となった実家の草取りをさせてもらっている。

この時期、炎天下での草取りはキツイけれど、少し前まで2〜3分動いただけでも苦しくなっていた心臓が、今は2〜3時間動いても平気なのだから、天国だ。

先日、実家の草刈り中に地蜂の大群に両手を刺されてヒドい目にあったが、今回は何か虫のようなものに手首を刺されて、腕全体が赤く腫れ上がった。人間が行う草刈りは、植物や虫たちからしたら大殺戮みたいなもんだから、何かしらの反撃を受けても当たり前なのだが、こちらも殺されたくはないから、防御するのも当然のこと。

しかし、草もよくよく見れば、小さな可愛らしい花をつけていたりする。
摘み取って、じっと見入る。
数多の草花が人知れず咲いては散っていく中で、この摘まれた小さな花からすれば、この時代に生まれ育った果てに、しかもこのタイミングで人間に摘み取られて繁々と眺められる、などとは思ってもみなかっただろう。いや、草花が思うわけもないだろうが、そんな人知れぬ小さな事件の連続が、この世界なのかもしれない。

果たして、花を摘み取り、一瞬愛でたそのメタボリックの怪人は、すぐさまその小さな命を放り出し、躊躇なき殺戮の業に戻りゆくのだった。

 

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