『魚沼農業協同組合』の看板書制作

 

今日は『魚沼農業協同組合』の看板の書のご依頼をいただき、十日町のJA魚沼にて、柄澤和久会長はじめ役員の方々とミーティングさせていただいてまいりました🌾
ご依頼いただいた仕事をすぐに公けにするようなことは、まずないのですが、此度は自分にプレッシャーをかけ、喝を入れる意味で、ご紹介させてもらいます。
JA魚沼さんは、魚沼地域の4つの農協(JA十日町、JA津南町、JA北魚沼、JAおぢや)が合併して本年2月に誕生。本店は十日町市に置かれ、地域の農業振興に尽力されています。
今日のミーティングで、どんな看板に書けば良いのか伺ったところ、以前掲げていた『十日町農業協同組合』と書された檜の看板を削って真っさらにするので、そこに書いてほしいとのこと。で、その看板を見せていただくことに。
看板の書を一目見て、一発書きでここまで書ける書家もそうはおるまいと、その逹腕に感服。
さらに、裏書の落款を見て、ビックリ仰天‼️
なんとそれは、自分が小学生時代に担任をしていただいたことのある、岡村松烟(おかむら・しょうえん)先生の手になる書でした。
松烟先生のことは、拙著『汚し屋 壯弦 俺の書でイケ!』や『故郷〜魂のふるさとへの回帰 書芸家 壯弦ものがたり』でもご紹介させていただいた通り、新潟を代表する、全国的にも名を馳せた書道の大家であり、ご存命であれば90歳。
平成10年とあるから、松烟先生66歳のときの書で、顔法を感じさせる力強く伸びやかな筆致に、旺盛なる気力と筆技の熟達、心技体の調和が見て取れて、実にすばらしい書だなと。
かくも見事な直書きの看板書もそうは無いと思うので、記念として末長く保存しておいていただきたいところですが、「有用な備品以外は取っておくことができないのが現状で、ならば有効に活用したほうがいいだろうとの判断で、この看板を再利用することにした」とのでした。
う〜〜ん・・・自分もこれを書かれた時の松烟先生と、さして変わらぬ歳になってはいるけれど、果たして、ここまでの書、これを凌ぐものが書かけるかどうか。それに恩師の書を削って消した上に書くなど、失礼極まりないようにも思え・・・
ということで、一瞬、考えたのですが、松烟先生の遺志を継いで、教え子である自分が書いた方が、たとえ下手であっても、まだ他人が書くよりもいいだろうと思い、この仕事、引き受けさせていただくことにしました。
ロゴ書を書くのとは違って、書き直しの効かない一発書きになるので、それもまたプレッシャーなわけですが、それこそまた、書芸術の本領発揮の場面でもあり、師から「さすがは、そうげんくん!」と言ってもらえるよう、全霊をもって臨ませていただきたいと。

なお看板は、年内に出来ればいいとのことですので、秋の実りに合わせてゆっくり仕上げたいと思います。書くのは一瞬ですけどね😁

-追記-
投稿から一晩経って、やはり恩師の書を消した上に書くこと忍びず、別に相応の看板を用意するので、そこに書かせてくださいと、いま、JA魚沼さんにお願いしたところです。
こちらの恩師揮毫の看板は、自分が大切に保存させていただきたく思います。

 

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