またヤバいものを見た。
星と森の詩美術館で開催中の『生誕110年 木版画家 星襄一 展Ⅰ――光を求めて――』
書芸に通ずる、宇宙自然との感応から生まれる交響の世界。
技巧を凝らした煌びやかな作品ももちろん素晴らしいが、自分は本展のポスターにもなった、本作を買う。
それは、雅やかな弥生的精神よりも、荒削りだが生命力に満ち溢れた縄文的精神を好む嗜好のゆえか?
いや、それだけではなかろう。他者への媚びも技巧への耽溺も含まぬ、宇宙自然と一体となった、人間存在の孤高を見て取り、深く惹かれてやまないのだ。
星襄一《森に棲む月》1957 木版画
そしてこちらの作品など、まさに書芸の傑作中の傑作ではないか。
星襄一《雪原》1956 木版画
若き日に台湾に渡り、教師を勤めていたが、終戦による教育観の転換についていけず辞職。故郷の新潟県小出町に帰って印刷業を営んでいたが、美術への想いを捨て切れず、東京に出奔。42歳で武蔵野美術大学を卒業後、木版画家として立つ決意をもって、65歳で亡くなるまで作品を作り続けたという星襄一。
本展は、その星の美世界への飽くなき探求の軌跡を垣間見ることの出来る、貴重な展覧となっている。会期は6月4日(日)まで。未観の方は、どうぞお見逃しなく‼️
会 期 | 2023年4月1日[土]~6月4日[日] |
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開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
休 館 日 | 火曜日 |
入 館 料 | 一般500円、小・中学生200円 |